マーケティング分析で数値と数値に相関関係が見られるとき、原因と結果としてとらえてしまうことがあります。
ですが、数値が変化する原因が別の要素である場合、数値と数値の関係は、疑似相関ということになります。

疑似相関とは?

擬似相関とは、要素と要素の間に一見相関関係があるようにみえて、実はその相関関係が別の要素によるものであり、もとの要素間には本来相関関係がない、というものです。

日常的な疑似相関の例

『アイスクリームの売上とプールの溺死事故の関係』を例にとって考えてみましょう。
アイスクリームの売上が最も高い時期にプールでの溺死事故も最も多くなりますが、アイスクリームが溺死増加の原因というわけではありません。
アイスクリームと溺死事故の関係が擬似相関で、見かけの相関の背後には『猛暑』という要素が存在しています。
アイスクリームと溺死事故の例のようにはっきりとわかる擬似相関であれば、これを本来の相関と取り違えることはほとんどありませんが、擬似相関かどうかわかりにくいケースもあります。

マーケティング現場でよくある疑似相関の事例

マーケティング現場でよくある事例で考えてみましょう。

あなたは企業のデータ分析担当者です。
事業部Aでは、顧客に対して、過去に何度かDMを送っていました。
そこで「DMの受け取り回数」と「購買額」の関係を調べたところ、正の相関が観測されました。
このとき「DMがきっかけで顧客の購買行動がもたらされた」と結論してよいでしょうか?

慎重になったあなたが事業部Aに出向いて情報を集めたところ、実は顧客一律にDMを送付していたわけではなく、所得の多い顧客に優先してDMを送付していたことが判明しました。
ということは、高所得者の「DMの受け取り回数」が多いということになり、「DMの受け取り回数」が「購買額」に影響する真の原因とは言い切れません。
「所得額」が「購買額」に影響する真の原因である可能性があるからです。

一見本当の相関があるようにみえても「精査すると実は擬似相関だった」ということがあります。
擬似相関を本当の相関と取り違えてしまえば、誤った情報に基づき判断することになり、間違った意思決定を下してしまうリスクが高まるため、注意が必要です。


マーケティング分析を正しく行うには、疑似相関を常に疑いながら、マーケティング分析ツールを正しく活用し、本当の因果関係を突き止めることが重要です。

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